「残念」 おすすめ度:
投稿日:2004-04-22
この分野では著名な評論家である長谷川先生の本とのことで、友人に勧められて購入したものの、内容には非常にがっかりさせられました。(期待が大きすぎたのでしょうか)。もちろん、著者は医師であり評論家であり、経営の実務に携わった事が無いという限界の中で本書をまとめられたご努力には心から敬意を評したいと思います。とは言うものの、企業経営の現場にいる者からすると、あまりにもベーシックな内容(しかも20年くらい前の戦略論がベースでは?)のオンパレードです。企業戦略立案の実務に携わっている方や戦略コンサルタントの方からみれば残念ながら経営戦略と呼ぶには程遠い内容というのが実際でしょう。またこれから初めて病院経営を学ぶという方にも、実践的とは言えないと思います。
病院経営学者(このような呼び方があるかどうかは分かりませんが)としての、また病院管理研究所の成果は、その世界では珍しい論文の執筆にあるのではなく、日本における病院での経営の質向上にあって頂きたいのですが、現状の病院経営や医療事故などを見る限り、その病院管理研究所の53年間の活動成果は残念な結果に終わっている・・・と思ってしまいます。そして本書を読んで、その成果が出ない理由が分かった・・・というのが正直な感想です。
しかし、見方を変えれば、「このくらいの内容でも現在の病院にとってはまだ価値をもって受け入れられるか」という病院での経営への見方、成熟度の現状を知る上では充分に価値があると思われますし、実際、著者の講演を聞く機会がありましたが、会場の反応を見ている限り、医療界では大きな敬意と斬新さをもって受け入れられているのが非常によく分かりました。今後に大きく期待したいと思います。